新しい1キログラム

 私たちが何気なく使っている数値の多くには必ず単位があります。例えば、牛肉のトレイパックには質量の単位“ グラム(g)”、牛乳の紙パックには体積の単位“ミリリットル(ml)” が表示してあります。このように数値には基準となる単位が付してあり、これがないと量の大きさが分かりません。
このように日常生活に不可欠な単位ですが、実はわずか7つの基本単位:①長さ(メートル)、②質量(キログラム)、③時間(秒)、④電流(アンペア)、⑤熱力学温度(ケルビン)、⑥物質量(モル) 及び⑦光度(カンデラ) ですべての単位を説明することができます。
 2019年5月20日に、このうちの質量を含め、4つの基本単位の定義が変わりました。最初は「蒸留水1リットルの質量(簡単に言えば,水1リットルの質量)」でしたが、1889年に白金イリジウム合金製の「国際キログラム原器(以下、原器)」に変更され、今回の変更まで、この原器が約130年間使われました。日本にも、産業総合技術研究所(以下、産総研) に「日本国キログラム原器」がありました。
 しかし、近年、天びん等の測定精度の向上により、原器の安定性に疑念が生じ、質量再定義の必要性が高まりました。そこで、2004年に産総研も参加したアボガドロ国際プロジェクトが開始され、今回、新しい質量“ キログラム”が、「プランク定数を6.626 070 15×10-34J・s とすることによって定まる質量」と定義変更されました。なお、本プロジェクトで使用されたシリコン球です。
 このように、単位の定義を決めることで、北海道で購入した牛肉500gも沖縄で購入した牛肉500gは同じ質量となります。当然ですが、海外で購入した牛肉について同じことが言えます。
当社は、新たな質量標準にトレーサブルなJCSS校正を提供することで、科学技術の進歩に貢献しています。
ごあいさつ

当社は、はかりの原点である「てこ」をキーワードに、「お客様のサイドにたったサービスと製品を提供する」というモットーを、次のようなスタンスで捉え、活動しております。
それは、お客様のニーズを力点として、より高い付加価値サービスや製品を通して、作用点であるお客様の満足度がさらに高くなるよう、つまり、てこ比が大きくなるよう工夫すること。支点につきましては、計量法をはじめとする法導守、正確な計量管理に必要な品質管理の実施や技術・技能の蓄積及びこれらの複合かを通して、確固たるものとする所存でございます。

城南電計株式会社
取締役社長 長田幸晴

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1948年(昭和23年)に、城南計量器工業組合として、山口県知事より計量器修理事業者の免許を取得。以来、一貫して「はかり」に携わってまいりました。1963年(昭和38年)には、通商産業大臣(現、経済産業大臣)から計量器製造事業者の許可を受け、現在に至っております。事業の中心は、各種産業用はかりの設計・製造・修理。いずれのはかりもお客様より高い評価を受けております。
はかりを主とした計量器は、その性格上、計量精度が生命線であります。しかしながら、お客様のニーズの多様化に伴い、計量器も自動化・省人化の機能を併せ持つ必要が出てきました。当社では、いち早くこれらのニーズに対応した計量器の製作に取り組み、お客様のあらゆるご要望に応えられる技術・製品力を確立しております。
また、当社の主力製品である産業用はかりのうち、ホッパースケールやコンベアスケールは主に粉粒体の計量に用いられておりますが、お客様のニーズに応えるには、材料特性をはじめとする複合テクノロジーが必要となります。私たちは独自に蓄積したロードセル技術やマテリアルハンドリング技術、制御技術を駆使して、より完成度の高い製品やサービスを開発・提供しております。
さらに、2014年(平成26年)に、独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センターから国際MRA対応JCSS校正事業者を認定取得し、国際レベルの校正を行えるようになり、より柔軟な対応が可能となりました。
おかげさまで、エンドユーザーも、重工業の代表である製鉄メーカ、セメントメーカ、化学工業の代表である薬品メーカ、化学メーカや食品産業までと、幅広くなっております。今後とも、お客様の声を大切にし、「お客様のサイドに立ったサービスと製品を提供する」をモットーに、従業員一同、力を合わせて業務に邁進する所存ですので、さらなるご指導とご支援を賜るようお願い申し上げます。